死亡危急時遺言

死亡危急時遺言

緊急時のみに使用される遺言書の方式の1つに、死亡危急時遺言(一般臨終遺言ともいいます)があります。死亡危急時遺言は、余命が幾ばくも無い状況で今すぐにも遺言を残さなくてはいけない場合や、病気や事故などで緊急事態となり、すぐに遺言書を作成しなければ、遺言者の生命が失われてしまう場合などに使われる形式です。つまり、第三者から客観的にみて死期が近いことがわかり、遺言者自身も主観的に自分の死期が近いことを自覚している場合に行なうことができます。

死亡危急時遺言は、
(1)証人となりうる人が3名(配偶者や子供など利害関係者を除く)必要となり、
(2)遺言者が証人の1人に遺言の趣旨を口授(口頭で伝えること)し、
(3)口授を受けた証人がこれを筆記した上で遺言者及び他の証人に読み聞かせ、
(4)各証人が筆記の内容が正確であることを承認し、
(5)それに署名捺印をする必要があるため、ほとんど使用事例がありません。

また、死亡危急者の遺言が作成された場合には、証人の1人もしくは利害関係人から、20日以内(遺言作成から)に、家庭裁判所で遺言の確認を受けなければなりません。ちなみに、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、その効力を生じなくなります。